2015 毎日・DAS学生デザイン賞 大学生の部 “金の卵賞” 発表

2015 毎日・DAS学生デザイン賞 大学生の部
“金の卵賞” 入賞者(写真をクリックすると写真が大きくなります)
【金の卵賞】1点
◆正賞=賞状 トロフィー ◇副賞=賞金30万円
<建築部門>
architecturegold
「斜交いの建築-見る・見られる空間」
山本 沙也加(やまもと さやか)大阪工業大学

【部門賞】6点
◆正賞=賞状 ◇副賞=賞金10万円
<建築部門>
architecture
「新宿群中街」
髙橋 翔(たかはし しょう)日本大学

<グラフィック&絵本・写真・映像部門>
graphic
「天然画材ブランド『もりのあしあと』」
樋郡 絢乃(ひごおり あやの)北海道芸術デザイン専門学校

<プロダクトデザイン・工芸デザイン部門>
product
「KORON」
林 沙也加(はやし さやか)大阪デザイナー専門学校

<マンガ・キャラクター部門>
該当作品なし

<空間演出デザイン(インテリア、商空間)部門>
interior
「地域という箱を空き屋という箱で開く…」
村上 建太(むらかみ けんた)創造社デザイン専門学校

<ファッション&テキスタイル部門>
fashion
「Accordion」
青木 萌恵(あおき もえ)名古屋学芸大学

【佐野正一賞】1点
◆正賞=賞状 ◇副賞=記念品
architectureSano
「滲出する哀惜 都市における死の価値観を民主化する葬祭空間の設計」
谷 大蔵(たに だいぞう)神戸大学

*大学生の部 金の卵賞に応募され、第一次審査を通過した作品は今回の総合審査の結果、全作品が入選となりましたのでお知らせいたします。入賞・入選作品は、5月27日(金)~30日(月)の4日間大阪デザイン振興プラザ・デザインギャラリー(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC ITM棟10F)で作品が展示されます。

◆ 入賞・入選作品展
2016年5月27日(金)~5月30日(月)まで
10:00~17:00
大阪デザイン振興プラザ・デザインギャラリー
(大阪市住之江区南港北2-1-10 ATC ITM棟10階)で開催
「2015毎日・DAS学生デザイン賞」

<入選>(53点) 正賞=賞状
◆建築部門 富永里穂・神山貴成(大阪工業大学)勝間成美(京都建築大学校)﨑山涼(工学院大学)
◆グラフィック&パッケージ・絵本・写真・映像部門 王澤聞(大阪芸術大学)柳生有希(神戸芸術工科大学)三浦優大(2作品()東京造形大学)佐藤ひかり・山田志帆・長岡美雪・成田すみれ
山田尚人(北海道芸術デザイン専門学校)佐原紫織・坂尾妙子・瑞樹知子・磯間実莉・吉村あずみ・藤笠志保(創造社デザイン専門学校) 木下和美・岩西夏穂(大阪芸術大学)
◆プロダクトデザイン・工芸デザイン部門(ID・クラフトなど) 辻尾一平(成安造形大学)辻川知樹・梅木祥恵(大阪デザイナー専門学校)吉村由香里・高松梓・高木拓哉・小島武・城殿健仁(拓殖大学) 山口望・山田知代(京都精華大学)山内加奈子(北海道芸術デザイン専門学校)
◆マンガ・キャラクター部門 藤原加耶子・川越響子(創造社デザイン専門学校)
◆空間演出デザイン(インテリア、商空間など)部門 野田菜摘(沖縄県立芸術大学)黒川朋(大阪デザイナー専門学校)織田香純・末富裕基・荒木ゆう子(創造社デザイン専門学校)
◆ファッション&テキスタイル部門 的場恵(2作品)(神戸芸術工科大学)由佐徳大(京都精華大学)森優菜・日野拓海(拓殖大学)向城美晴・米田衣紗 福井孝太・駒田莉奈・森谷佳波・竹林佑将・倉内初音・倉田麗菜・林萌奈子(名古屋学芸大学)
応募総数 108点
【参加校】 19校 大阪工業大学、大阪芸術大学、大阪デザイナー専門学校、沖縄県立芸術大学、九州産業大学、京都建築大学校、京都精華大学、工学院大学
神戸芸術工科大学、神戸大学、成安造形大学、創造社デザイン専門学校、拓殖大学、東京造形大学、富山大学、名古屋学芸大学、日本大学 兵庫県立大学、北海道芸術デザイン専門学校
【審査員】◎は総合審査員
◆審査委員長 ◎嶋 高宏(グラフィックデザイナー・DAS理事長)
◆実行委員長 ◎藤田 隆
◆建築 ◎三木 孝亮 ◎中山 益蔵 ◎橋本 頼幸
◆グラフィック&絵本・写真・映像 ◎大門 敏彦 ◎坂東 由章 ◎田村 昭彦 延安敬子
◆プロダクト&工芸デザイン ◎夏原 晃子 ◎吉川 博教 野口 聡 植松 豊行
◆マンガ・キャラクター・イラスト 藤田 哲哉 佐々木 仁司
◆空間演出デザイン ◎原 英雄 ◎山田 悦央 宮後 浩
◆ファッション&テキスタイル ◎立亀 三沙 ◎仲西 多美子 末政 亜紀宏
◆総合 ◎斉藤 貞三郎(毎日新聞社学芸部長) ◎今竹 翠 ◎佐野 吉彦
写真撮影 =外賀 嘉起 (以上敬称略)

第47回/毎日・DAS学生デザイン賞(大学生の部)金の卵賞は山本沙也加さんの「斜行い(ハスカイ)の建築」が獲得した。見る、見られると言う演劇性を彼女は「斜行」した段差空間から生まれると言うユニークなコンセプトに基づいた建築デザインだ。ただNY大学の付近と特に限定しているがその必要は要らないのではと思う。彼女の未来に期待したい。部門賞はグラフィック&パッケージ・絵本・写真・映像部門で応募した樋群絢乃さんの「天然画材ブランド(もりのあしあと)」が選ばれた。若者らしい視点で自然素材の画材商品の提案で、完成度は高くないが、彼女の真面目な視点とほのぼのとさせるデザインが素晴らしい。プロダクト・工芸部門では林沙也加さんの転がすことで背もたれ、座面が変化する「KORON」と言う椅子がシンプルで心地よい。空間演出デザイン部門では村上健太さんの「地域という箱を空き家という箱で開く‥」が獲得。いま社会問題になっている空き家と地域コミュニティをテーマにしている。空き家のスラム化はいま日本全体の問題で、このような視点をもつ若者に未来を託したい。ファッション&テキスタイル部門では青木萌恵さんのドレス「Accordion」に。ジャガードとプリーツの組み合わせが、ビビッドなエレガントを醸している。建築部門では高橋翔さんの「新宿群中街」が獲得。オリンピックを機に再開発されようとしている猥雑な新宿ゴールデン街のその猥雑さの持つよさを、新しい概念で再構築すべきだと若者らしく提案している。今年から建築部門で初めてもうけられた佐野正一賞は谷大蔵さんの「滲出する哀惜」が獲得した。住空間を生と死を許容した空間にすべきだと提案。深いところで考えさせられるデザインコンセプトだ。今回は建築部門の応募作品の多くが近未来の日本社会を見据えて提案。社会とデザインとの深い関わりを真面目に思考していて感銘を受けた。全体に建築・商空間を除き、もっと社会とデザインの関係性に若者らしい視点を持った作品を仕上げてほしかったと思う。デザインこそ社会に文化を創出するのだから。賞には入らなかったがインテリア・工芸で応募の「コトバのオキバ」が、アート、デザイン、インテリアその全ての分門を横断し、ゆえにどの分門にも属さない不思議な感性を持った作品の存在をここに特筆しておきたい。ぜひ会場に出向き明日のデザイナーを目指す熱い感性に触れていただきたい。

総合審査委員長
嶋 高宏
shima_kao_2012
グラフィックデザイナー
総合デザイナー協会DAS
理事長