目次
巻頭随想
「スポーツとデザイン」 インダストリアル 山岸邦雄
平成17年通常総会
創立50周年記念事業の実施可決
PLAZA
ビジネスセミナー
DASサロンにぎわう
小田順子さんがCD‐ROM刊行
テニス大会
大浦さんが3連覇 ゴルフコンペ
石津謙介さんをしのんで
「第一級の粋人」 木原卓也
「ご夫婦で献体」 近藤年子
「ダンディズム」 大菅てる子
「次代を創る」 千田要宗
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巻頭随想
「スポーツとデザイン」
インダストリアル 山岸邦雄
わたしは、デザインと対峙してから41年を過ごしてきました。そして、ひょんなところから、テニスと出会って24年になります。デザインに、はまって41 年、テニスに、はまって24年、55歳になってしまいました。ここから、これらのラストランに向かってテイクオフを敢行します。
スポーツとデザインの話になりますが、この二つは、随分と似通った性質(部分)を持っています。
サッカーの話をします。サッカーは、極論すれば、あらゆるイベントのなかで、そして 世界中のなかで、いちばん 愛されている、ダントツの人気スポーツです。これは、疑いようのない まぎれもない事実です。その中にあって、日本ではどうか?
日本の中では、サッカーの人気はいちばんとは行かず、“世界標準”とは程遠く、思ったほど人気はありません。これは何故?日本のサッカーの歴史が短いことも、大きな理由のひとつではありますが、それよりもなによりも日本は、平和すぎるからなのです。単一民族であり、極東の島国だからです。そのむかし、戦争には負けてしまいましたが・・・・・・それに引き換え、日本以外のさまざまな国々は、昔も今も、毎日の生活にいつでも緊張を強いられているところがあります。そんな毎日の生活にあって「サッカー」は毎日の、日常の緊張を解きほぐしてくれる格好の道具なのです。前にも触れましたが、日本は平和すぎるので、毎日が世界の諸国ほど緊張感もなく、おおむねアバウトな日常を過ごしています。そうした中で、日本はサッカーの前に、野球があったのも大きな要因です。そのうえ、中高年層に至っては、サッカーの醍醐味が感じ取れない( 理解しにくい)のも重大な要因です。その他にも、さまざまな要因があるのですが、この辺で割愛します。
「デザイン」、この言葉はありとあらゆる方面で氾濫しているように思います。デザインという言葉の使い方が、一定の範囲を超えて複雑に、そして多岐にわたって使われています。しかしながら、一般の人たちには「うまく」伝わっていない。他意はないのだろうが、デザインが歪曲されて解釈されてしまっているような気がしています。大変にもどかしく思っています。「デザイン」というのは、“ひとを豊かにするためのひとつのテクニック”です。
平均健康寿命というのがあるそうです。男性は72歳、女性は77歳だそうです。わたしはデザインの仕事を75歳ぐらいまでやっていたいと考えています。テニスは90歳以上、続けられたらいいかなあなんて思っています。それにはいかに鮮度のある、デザインを生み続けられるか、いかに鮮度を保ったまま人生を送っていけるか、そのうえで“すべてに努力”です。デザインの魅力をいかに表現していけるか、成し遂げていない大きなテーマです。
1950 年、石川県宇ノ気町生まれ。幼少期にカバヤの宣伝カーと出会ったのが山岸邦雄のデザインのルーツ。高校、大学ともデザイン学科で過ごし、これまで、女性のヘアピンからモーターボートまで、さまざまなジャンルのデザインをこなす。いま、いちばん“ちから”をいれているのは、高齢者・障害者のための商品開発・デザイン開発、そして環境開発。ライフワークの集大成として。
平成17年通常総会
創立50周年記念事業の実施可決
総会で開会挨拶する佐治信忠理事長
平成17年DAS通常総会は5月31日(火)午後3時半から、大阪市北区のクラブ関西で嶋高宏理事(事業活性委員長)の司会のもと開かれ、4議案を審議した。
出席会員は71名(委任状提出者94名)、来賓は近畿経済産業局産業振興部の内海美保サービス産業室長ら5名が臨席。
佐治信忠理事長が挨拶の後、定款に基づき議長となり開会。第1号議案「平成16年度事業報告ならびに収支決算案の件」を付議、黒田耕太郎専務理事が「会員拡大、都市美両委員会がスタートするなど、事業計画は順調に遂行され、3期連続となる50周年記念事業準備金が積み立てられた。正会員は入退会同数で、 228名が維持された」と報告。収支決算案では、経費節減効果などから、343,336円を次期に繰り越すことが出来たと説明。このあと宮井洋監事が「合法的かつ適切である」と監査報告、一同これを可決承認した。
第2号議案「創立50周年記念事業実施の件」を上程、黒田専務理事が議案朗読のあと、議長指名で、創立50周年記念事業企画委員会の大門敏彦委員長が4月20日の第1回委員会の議論を報告。一同に異議なく、原案通り可決。
第 3号議案「平成17年度事業計画ならびに収支予算案の件」を付議、黒田専務理事が創立50周年記念事業の策定を最重点とする事業計画を説明。前年度予算を 507,000円上回る総額14,883,000円の予算案を提示した。これに一同から異議なく、可決承認した。最後に、第4号議案「一部役員改選の件」を上程し、黒田専務理事が「今期は役員の改選期ではないが、毎日新聞社の人事異動に伴い、3名の理事の改選を諮りたい」と述べ、観堂義憲、成相幸良、萩原誠四郎各理事の退任と、その後任として、山崎一夫、伊藤芳明、飯塚文男各氏を新理事とする案を示し、満場一致でこれを可決承認した。午後4時50分、総会はすべての議事を終了し閉会。
10分休憩のあと、司会が小林敬一郎理事(デザイン賞運営委員)にバトンタッチされ、第37回学生デザイン賞の表彰式が行われた。8人の入賞者のうち、「金の卵賞」受賞の井上唯さんら5人が出席、正面の舞台に入賞作品の映像が映し出された。
午後5時50、会場をサントリー本社1階の「グランソニート」に移し、懇親パーティが行われた。嶋高宏理事が司会を務め、新入会員の紹介、近藤恒夫参与のギター演奏と続いた。
懇親パーティでクラシックギターを演奏する近藤恒夫参与 今年もにぎわった総会後の懇親パーティ。
PLAZA
ビジネスセミナー
2005 年度最初のDASイベント「ビジネスセミナー」が「堀江活性化の仕掛け人に聞く」と題し6月11日、大阪市西区南堀江の高台連合会館であった。講師の能口仁宏さん(IN)が、日曜日でも閑散としていた堀江地区をわずか15年間で大阪の代官山に変えた秘話を語った。会場は定員55人を上回る60人で超満員。若者の街がテーマだけに、33人が大学と専門学校の学生だった。
参加者
荒木志華乃、梅原豊和、城森輝郎、大門敏彦、立亀三沙、近久智彦、津久井知栄子、中川志信、平井宥子、福村保、馬渡喜穂、吉川博教、渡邊敏雄、黒田耕太郎ほか(順不同、敬称略)
DASサロンにぎわう
会員拡大委員会(多田愛実委員長)の提案で設立された「DASサロン」(愛称たまりバー)が3月23日の第1回を皮切りに6月末までに計3回開かれ、新入会員が生まれるなど、名実ともに盛況に運営されている。第4回は7月26日夕、毎日新聞ビル9階で、DASイベントの講演会と合同で開かれる。
小田順子さんがCD‐ROM刊行
理事の小田順子さん(FS)がこのほど「オリジナルデザインをめざそう」というタイトルのCD―ROM(税込み1,800円)=写真=を刊行した。 副題の「ファッション造形の基礎」が示す通り、小田さんが服飾デザイナー・大学教授として半世紀に渡り蓄積してきた知見の集大成。オールカラーの写真でわかりやすく解説されており、学生からプロまで幅広く学べる。ジュンク堂書店大阪、難波、三宮、西宮、池袋各店で販売中。
テニス大会
第9回DASテニス大会が5月15日、大阪府箕面市のサントリー箕面総合トレーニングセンターで開かれた。1年ぶりの大会で、ゲストを含む6人が参加、総当たり制のダブルス戦で、心地よい汗をかいた。
参加者
上田マナツ(世話人)、高田雄吉、津久井知栄子、黒田耕太郎ほか(順不同、敬称略)
大浦さんが3連覇 ゴルフコンペ
第49回理事長杯ゴルフコンペは4月13日、連続3回目となる兵庫県三田市の千刈カンツリー倶楽部で行われ、ゲスト1名(大浦丈史郎夫人)を含む8名が満開の桜をめでながらプレーした。 深井さん(FS)がネットで最高点を出したが、初出場のため規定により2位となり、大浦さん(GP)が3回連続、通算7回目の優勝を果たした。 表彰式・懇親会には、同日別のコンペで同じコースを回った飯田、和栗両氏も参加し、理事長杯につづいて、サントリー、毎日新聞社提供の豪華賞品が西尾常任理事から10人全員に手渡された。
第49回コンペ成績H17・4・13/千刈カンツリー
氏名 O I G H N 順位
大浦丈史郎 ☆ 41 41 82 6 76 優勝
深井 郁子 51 50 101 26 75 2
野見 康雄 57 56 113 34 79 3
西尾 直 ☆ 52 55 107 22 85 4
大浦 真澄 65 56 121 36 85 5
福田 武 ☆ 46 47 93 7 86 6
宮川 憲明 ☆ 52 48 100 13 87 7
黒田耕太郎 86 71 157 40 117 8
●BG=大浦82●ドラゴン=大浦(丈)、深井 ●ニアピン=福田、宮川 ●新ハンディ=大浦(丈)5、深井22、野見31 ☆は優勝経験者
石津謙介さんをしのんで
第一級の粋人 木原卓也
「今日、石津さんは、何処でどんな服を着て、誰とどんな話をしながら、何を飲み、何を食べてらっしゃるんだろう」
私はこのことが、いつもいつも気にかかっていました。石津さんの一日の生き方そのものが、ファッションであり、スタイルでした。その全てが、私の生き方のヒントになっていました。 今日、ブームとなっている「スローライフ」や「エコライフ」や「エンジョイスポーツライフ」はすでに1970年から、石津さんが、プロモートされていたライフスタイルのひとつでした。 1990 年頃でした。東京で共にあるセミナーの講師をした後、ランチにボージョレヌーボーを飲もうと誘われました。石津さんは、ネイビーのカシミヤのブレザーとカシミヤのベストの下に、レーヨンのオフホワイトのカジュアルなシャツを着ておられました。そのシャツの風合いと色合いは絶妙でした。レーヨンというリーズナブルなシャツをサラリと合わし「おしゃれとはお金をかけるだけではないんだよ」と周囲にささやきかけているかのようでした。
私が講師をして、毎月14年間続けているBOW-CLUBという定例講座で、私は「オトコ考」というテーマで論文を書き、レクチャーしました。2005年5月24日のことでした。そこで私は、石津謙介氏のダンディズムについて話していました。そのセミナーの最中に石津さんは亡くなっていたのです。生きることそのものを楽しみつくす知恵と、日本のオトコの気骨と、世界と日本のスタイリングのコラボレーションの才知を併せ持つ第一級の粋人石津謙介さんは、私にとってこれからも永遠の生き方の師です。ありがとうございました。
(環境学博士 木原卓也=D会員・OT)
ご夫婦で献体 近藤年子
故石津謙介先生は、衣食住に先生流の厳しい好みがあった。衣に関しては、アイビールックに若者の激しいファンを集め、また、「TPO」という言葉で、おしゃれで正しい服の着方を大勢の人々に教えられた。
食については、京都を中心に西日本の食を好まれ、おいしく好みのものなら遠方まで出かけられるような食に関する情熱があった。包丁を手にして作られるタンシチューは、絶品であった。 住は、蔦におおわれたコンクリートのアイビーハウスで、この家をこよなく愛し、五十余年お住みになった。そして、ご夫婦で献体という考えを貫かれたのも、先生らしいお考えだと思う。 九十三年の生涯を自分流に、悔いなく生きられたことは、ご立派である。改めて先生のご冥福をお祈りしたい。
(理事 近藤年子=D会員・FS)
ダンディズム 大菅てる子
石津謙介先生に初めてお目にかかったのは昭和30年頃だったと思います。阪急百貨店の2階にメンズブティック「VAN」が誕生しました。
相棒の大川照雄さんという方が店長で、ブティックを囲んだ低いガラスケースの中には、初めて見る大人の小物、アクセサリーがダンディズムの香りに包まれていました。その頃、大人の男性のおしゃれは「女房(かみさん)に任せているよ。面倒だから」なんて。照れ隠しもあって、そう言ってらした方が多い時代でしたから。
オープンの後しばらくは、先生もよくお顔を出しておられ、お目にかかれて楽しいひとときでした。宣伝効果が出てきた頃は、先生はもう次の事業に移られたのでしょう。あれから何年たったのでしょう。いつかどこかでお目にかかれて、オーラをいただく楽しみがなくなりました。
(大菅てる子=D会員・FS)
次代を創る 千田要宗
1976年頃、生活用品のブランド立ち上げに携わっていた私は、VANの新しいスタイルのファッション雑貨店のビジョンを知りたくて、青山にあるVANを訪れた。思いがけず石津謙介さんにお目にかかった。
「住生活のカジュアルな暮らし」が日本で、どの様にビジネス化するのか。そんな話をさせていただいた。
30年の時を経て、石津さんが始められた「住生活のカジュアル化」は今、新市場を創りつつある。潔き色気を感じさせる石津さんの笑顔を想いながら「次代を創る志」に触れたあの日をしのんでいる。
(理事 千田要宗=D会員・IN)
一般社団法人総合デザイナー協会(DAS DESIGNERS ASSOCIATION 略称:DAS)は、デザイナーのための団体です。会員の有機的連繋によるデザインの向上発展によって産業の進展を図ると共に日本文化の興隆に寄与することを目的としています。
DAS 社団法人総合デザイナー協会
DAS 一般社団法人総合デザイナー協会
〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞ビル 4F
TEL: 06-6346-8695 / FAX: 06-6346-8696 / E-mail: das@das.or.jp
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