会報 208号 04′ 07/01

目次

巻頭随想
「おはなのこころ」商環境 庄司道子
平成16年総会
新理事に6氏選出
新副理事長に谷川氏
第36回毎日・DAS学生デザイン賞表彰式
審査評
「第36回毎日・DAS学生デザイン賞」審査委員長 佐野正一(建築家・DAS副理事長)
PLAZA
会員懇親パーティー
葉室さんにベストスイマー賞
馬渡さんがテレビ出演
展覧会あれこれ
テニス大会
大浦さんがV5 DASゴルフコンペ
京都・本願寺見学

巻頭随想

「おはなのこころ」

商環境 庄司道子

私は三歳ぐらいから紙と鉛筆を持って絵ばかり描いていたと、親から言われていた事を今でも覚えております。しかし、自分自身の記憶としては、はっきりと覚えておりません。
ただ小学校一年生の時の学芸会だったと思いますが、講堂の一番前にある大きな黒板に突然「何でもよいから絵を描きなさい」と言われて、色チョークで臆面もなく女の子とお花の絵を黒板いっぱいに描いた事だけを今でも覚えております。 小学三年ぐらいだったと思いますが、小さな肩に油絵具のケースをかついで、カンバス6号ぐらいの大きさのもの2枚を手に持って、中山正実画伯のアトリエに日曜日ごとに絵を習いに行っておりました。小さな私には荷物が大きくて、かなりしんどかった事と、アトリエに来ておられる方がおじさん、おばさんばかりの中で、子供は私一人だったので何となく楽しくなかった記憶が残っています。
中学・高校時代は、小磯良平、田村幸之介画伯のアトリエで同じく絵の勉強をし、大学時代は、新制作展、二紀展等に出展しておりました。その中で、二紀の会員・土岐氏の紹介で阪急百貨店の装飾課の仕事をしているうちに装飾の仕事が面白くなり、友人の見上隆夫氏と共に「株式会社A・Dデザイン」を設立致しました。
今も老骨に鞭打って、デザイン・設計・施工・現場と頑張っておりますが、土、日は仕事を休んで、趣味の園芸でリラックスして過ごしております。
今は初夏の花木、紫陽花、バラ、クチナシ、ナツツバキ等が咲き、花壇ではヒナゲシ、マーガレット、プリムラ、サフィニア、ペチュニア等が咲いています。
シーズン毎の花木や草花の世話を心こめて一生懸命してやると、必ずそれに答えて美しく咲き誇ってくれます。その姿を見ると心が癒される思いがします。
それから芝生の雑草とり、芝刈り等は運動不足の私には体力をつけるのに有り難い労働となってくれています。
やがて夏にはノウゼンカズラ、ハイビスカス、フヨウ、サルスベリ達が庭いっぱいに咲いて、私を楽しませてくれます。
今が一年中で一番よい季節で、緑の木陰でゆったりと花達のスケッチをするのが私の楽しみとなっています。
時には、レコード鑑賞(ショパン・グリーク・マーラー等)や下手なピアノで好きな曲を弾いてみたり、孫達や生後10ヶ月のひ孫と裏山の公園等に散歩に行ったりして老後の休日を過ごして、楽しんでおります。

大阪市生まれ。京都大学文学部哲学科(美学・美術史専攻)卒。昭和52年、(株)A・Dデザインを設立。代表取締役専務として現在に至る。建築、土木、鋼構造物工事業、環境開発、緑地開発、商環境、店舗などのデザイン、設計、施工の会社。

平成16年総会

新理事に6氏選出

平成16年DAS通常総会は6月3日(木)午後3時から、大阪市北区堂島浜のクラブ関西で開かれ、平成15年度事業報告ならびに収支決算案、平成16年度事業計画ならびに収支予算案、役員改選案の3議案を審議した。
出席会員は62名(委任状提出者81名)。来賓として、近畿経済産業局産業振興部サービス産業室児玉桂子室長ら11名が臨席。
佐治信忠理事長が挨拶の後、定款に基づき議長となり、開会。第1号議案「平成15年度事業報告ならびに収支決算案の件」を付議し、黒田専務理事が�平成16年の年明けから、日本経済にやや明るさが見え始めたものの、期中のDASの会員数は退会が入会を12名上回った�第18回毎日・DAS高校生デザイン賞から高校生に対しても出品料の規定を設け、実施した�春秋定期のファッション講演会を立ち上げた�都市美委員会が計3回の準備会をへて、正式発足の見通し⑤平成15年度末も創立50周年記念事業のための準備金を積み立てることができたなどと、報告した。
収支決算案では、当期の収入額は予算を352万余円と大きく下回る15,421,898円だった。その主要な理由は、昨年12月から業務受託収入がゼロになったこと、国際交流事業を行わなかったこと、正会員の減少による会費収入の減少の三つが挙げられる。支出額も昨年12月から業務委託料がゼロになったことや管理・事業費の圧縮などから予算を356万余円と大きく下回った。さらに前期からの繰越金が12万余円あり、期末に50周年記念事業準備金20万円と、事務員の正式採用に伴い当期からスタートする退職給与引当金10万円を積み立ててもなお、36,129円を次期に繰り越すことができた。この結果、資産は3,771,797円、負債は1,920,214円、差し引きの正味財産は1,851,583円となったと報告した。このあと滝本隆幸監事より「合法的かつ適正である」と監査報告があり、一同これを可決承認した。
第2号議案「平成16年度事業計画ならびに収支予算案の件」について、黒田専務理事が�正会員数の目標を250名に置き、会員拡大委員会を設立する�都市美委員会をスタートさせる�事業活性委員会が中心になり、魅力ある新規事業を企画し、前年度スタートしたファッション講演会の参加者拡大を図る�「男のアクセサリー」展に代わるDAS展を考える�学生、高校生デザイン賞を継続実施するとともに、全国PRに力を入れるの5本柱から成る事業計画を説明した。
収支予算案では、予算規模を業務受託収入、業務委託料が年間を通じてゼロになることもあって、前年度予算を469万余円下回る14,376,000円とした。支出面では、引き続き経費節減に努力する一方、2年ぶりに会員名簿を作成するため26万円を計上した。期末には、引き続き50周年記念事業準備金20万円と退職給与引当金10万円の合わせて30万円を組みたいと提案した。これに対し、一同異議なく、原案通り可決承認した。
最後に、第3号議案「役員改選の件」を付議。黒田専務理事が今期は役員の改選期に当たるとして、先の5月定例理事会で審議、全会一致承認された役員改選案を説明し、満場一致でこの案を可決承認した。新役員は次の通り。
理事=佐治信忠(再任)佐野正一(同)観堂義憲(同)谷川順一(同)黒田耕太郎(同)大門敏彦(同)西尾直(同)萩原誠四郎(同)吉川博教(同)粟井隼一(同)飯田吉秋(同)池永正之(同)今竹翠(同)植松豊行(同)多井幸男(同)太田隆信(同)大森重志(同)奥村昭夫(新任)小田順子(再任)木村一男(同)金野隼人(新任)越田英喜(再任)小林敬一郎(同)小森純夫(同)近藤年子(同)齋藤守慶(同)佐々木煕(同)嶋高宏(同)千田要宗(同)多田愛実(同)塚本邦彦(同)中川文雄(新任)夏原晃子(再任)成相幸良(同)原英雄(新任)深井麗雄(再任)丸山功(同)馬渡喜穂(新任)山﨑昌久(再任)山崎康孝(同)山田崇雄(新任)渡邊敏雄(再任)
監事=滝本隆幸(再任)宮井洋(新任)
午後3時40分、すべての議事を終了、閉会した。

新副理事長に谷川氏

このあと、同会場で新理事による理事会を開き、定款に基づき、理事長、副理事長、専務理事および常任理事の互選を行い、理事長=佐治信忠(再任)◇副理事長=佐野正一(再任)、観堂義憲(同)、谷川順一(新任)◇専務理事=黒田耕太郎(再任)◇常任理事=大門敏彦、西尾直、萩原誠四郎、吉川博教(いずれも再任)の各氏の就任を可決承認した。

第36回毎日・DAS学生デザイン賞表彰式

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受賞の喜びの言葉を述べる京さん
国内デザイナーの登竜門「第36回毎日・DAS学生デザイン賞」の表彰式が6月3日、大阪市北区のクラブ関西で総会に引き続き行われ、入賞10名と入選代表1名が出席した。正賞に続き、副賞のサントリー賞が手渡され、「金の卵賞」の京智健さんが受賞者を代表して「喜びの言葉」を述べた。

参加者
上村豊、岡信吾、門坂喜美子、近藤恒夫、迫田太、嶋高宏、大門敏彦、竹内一郎、竹広光春、中尾ゆしこ、夏原晃子、野見康雄、延安敬子、坂東由章、平井宥子、福田武、藤田隆、松下久美子、馬渡喜穂、永山伯子、黒田耕太郎ほかゲストを含め37人(敬称略、順不同)

審査評

「第36回毎日・DAS学生デザイン賞」

審査委員長 佐野正一(建築家・DAS副理事長)

応募作品は、専門分野ごとにDAS会員の厳しい第一次審査があって113点が選ばれ、5月14日の総合審査で金の卵賞1点、部門賞8点と入選82点が決まった。
グランプリ「金の卵賞」に輝いたのは京 智健さん(建築部門)の「玉造、転プロジェクト」。大阪城のある上町台地の東縁に当たる現JR玉造駅前の日の出商店街地区の再開発プロジェクトで、基幹道路三本に囲まれるブロック全体を思いきって単一中層の大型ビルとし、かつて有数の寄席、映画館がひしめく演芸の街の繁栄を再興するのが狙い。ゆるやかに下る大きな勾配屋根をもつ明快な造形に、この土地の環境と伝統への作者の深い愛着をにじませて印象深い。審査員一同の高い評価を得た。部門賞作品の堀 真寿さん(インダストリアル部門)の「電動トレーニング自転車」は、運動不足に悩む中高年層向けに新しい電動アシスト自転車の方向を提案するもので、必要な機能を工夫して織り込み、形態・供用・効率のよさ、折り畳みの配慮もあり、IDとして技術完成度が極めて高いと称賛された。香月裕子さん(テキスタイル部門)の「町を纏う」は、ギリシャの町並みのおだやかな明るさのイメージを幾種類か染め出したフェルトを素材に織り合わせて、壁かけに仕立てた作品。表現にも色彩のバランスも格別な美しさを実現したと評価は特に高かった。べ・スヨンさん(服飾部門)の「衣服デザイン・直線の美しさ」は線をプリーツで重ねることで立体的な美しさをつくりだした秀作と称揚された。このほかの部門賞となった作品では、伊藤七斗希さん(グラフィック・パッケージ部門)の「絵本、マフィンと赤いイス」は、森の旅にでる主人公の物語。明るく楽しい世界を技量高く表現して見事。柳川みよさんほか2名共作(写真・映像部門)の「タイポグラフィの発見」は、いろいろなタイポグラフィを紹介して楽しく知的な世界に広げる、期待を呼ぶ魅力ある作品。永尾達也さん(建築部門)の「ヤマギワ/ヤマノハ」は、東京世田谷の住宅地に計画する集合住宅の提案。生活のあり方を分解して、家具的な間仕切の工夫で空間を組立てる構想に、新しい感覚があると評価された。桂木悦子さん(インテリア部門)の「遊びで学び、つなぐ」は、新しい遊具の考案と設置の提案。デザイン個々の美しさが魅力的だ。清水宏晃さん(クラフト部門)の「バイタリティ」は木製アームチェアの提案。大きくて豊かな椅子は見る人を引きつける。高いセンスが評価された。
全般に技術レベルが高く、現代の感覚が光るようだ。入賞、入選を祝し、今後のご活躍を祈る。コンペ開催にご協力の関係各位に深く感謝申し上げる。

審査員
【審査委員長】佐野正一(DAS副理事長)【グラフィック・パッケージ】◎大森重志、◎大門敏彦、嶋高宏、延安敬子【ID】◎植松豊行、◎井上斌策、多田愛実【服飾】◎近藤年子、◎木村益子、山本昌子【テキスタイル】◎坂本忠敬、◎片山葉子、山仲武士【写真・映像】◎吉田幸一、和栗敬一郎【建築】◎佐野正一、◎小林敬一郎、太田隆信、山崎泰孝【インテリア】◎渡邊敏雄、◎旦哲男、柴野晶子【商環境】◎粟井隼一、◎原英雄、見上隆夫【クラフト】◎熊谷皓之、◎夏原晃子、植松曄子、川本蓮【総合】◎今竹翠、◎荒木茂(毎日新聞大阪本社学芸部長) (◎は総合審査員兼務)

PLAZA

会員懇親パーティー

DAS総会と「学生デザイン賞」表彰式の後、恒例の会員懇親パーティーが会場をサントリー本社1階の「グランソニート」に移して6月3日夕、今年も華やかに行われた。受賞した学生全員に来賓を交え約80名が次々に運ばれる料理と飲み物を味わいながら、心行くまで歓談した。学生たちは「今日の思い出を胸に、デザインの勉強に一層励みます」と顔を輝かせていた。

葉室さんにベストスイマー賞

少女時代から平泳ぎの名手として活躍、最近はマスターズ水泳で数々の世界新記録を樹立している葉室三千子さん(A)が6月18日、東京・帝国ホテルで平成16年度「ベストスイマー賞」を受賞した。同賞は平成12年に社団法人日本スイミングクラブ協会が設け、ノーベル賞作家の大江健三郎氏ら18名が受賞している。

馬渡さんがテレビ出演

馬渡喜穂さん(CR)が4月13日夕放映のNHK総合テレビ「上方倶楽部」に出演。自ら制作の錫の器が使われている大阪・心斎橋の家庭料理の店をレポーターと一緒に訪ね「息抜きの隠れ家に最適」と紹介した。

展覧会あれこれ

個展

多井幸男さん(IN)3月1日~6日=ギャラリー「むん」
喜多俊之さん(ID)=「伝統と再生」3月14日~19日=明治安田生命大阪御堂筋ビル
夏原晃子さん(CR)=「Acrylic Illusion2004」4月19日~5月1日=信濃橋画廊
寺田眞理子さん(CR)=「氷点感覚」6月15日~25日=ギャラリー「楓」
グループ展

「第5回くらしデザイン工房展」2月12日~18日=喜多俊之さん(ID)馬渡喜穂さん(CR)ほか=近鉄百貨店上本町店
「漆・硝子・錫」3月20日~23日=神戸酒心館◇「岩本雅晴×馬渡喜穂作品展」5月19日~31日=JR京都伊勢丹◇「匠の融合」7月12日~18日=「ギャラリーくぼた」(東京・京橋)=いずれも馬渡喜穂さん(CR)ほか
「ReDESIGN展」3月15日~25日=牛島志津子さん、延安敬子さん、坂東由章さん、藤田隆さん(以上GP)岡信吾さん、竹広光春さん、長野友紀さん(以上S)ほか=平和紙業ペーパーボイス
「さくら、唄う」4月19日~30日=奥村昭夫さん、嶋高宏さん、杉崎真之助さん、藤田隆さん(以上GP)岡信吾さん(S)ほか=同
「遊方展」5月31日~6月10日=岡安好司さん、田村昭彦さん(以上GP)ほか=同
テニス大会

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好天の下、開かれたテニス大会
第8回DASテニス大会が雨のため1週間順延の5月23日、箕面市石丸のサントリー箕面総合トレーニングセンターで開かれた。上田マナツさん(ID)を世話人に、ゲストを含む5名が参加、ダブルスの総入れ替え戦で心地よい汗を流した。

参加者
上田マナツ、高田雄吉、前田浩之(ゲスト・大阪産業デザインセンター)黒田耕太郎ほかゲスト含め5名(順不同・敬称略)

大浦さんがV5 DASゴルフコンペ

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西尾常任理事からトロフィーを受ける大浦さん(右)
第47回DAS理事長杯ゴルフコンペが4月21日、兵庫県三田市の千刈カンツリー倶楽部で開かれた。うららかな晴天に恵まれ、ゲスト2名を含め12名が参加し、新ハンディの下、熱戦を展開。大浦丈史郎さん(GP)が5度目の優勝に輝いた。プレーの後、懇親会があり、理事長杯に続いて、サントリー、毎日新聞社提供の豪華賞品が西尾直常任理事から全員に手渡された。

第47回コンペ成績H16・4・21/千刈カンツリー

第47回コンペ成績H16・4・21/千刈カンツリー
氏名 O I G HP N 順位
大浦丈史郎 46 41 87 10 77 優勝
梅原 豊和 44 48 92 13 79 2
竹内 一郎 49 55 104 22 82 3
福田 武 46 44 90 8 82 4
和栗敬一郎 44 42 86 4 82 5
西尾 直 54 54 108 22 86 6
井上 圭一 48 43 91 5 86 7
宮川 憲明 48 53 101 13 88 8
北島 久嗣 50 49 99 6 93 9
黒田耕太郎 75 76 151 40 111 10
●BG=和栗86●ドラゴン=坂本(ゲスト)井上●ニアピン=北島、梅原 ☆は優勝経験者

京都・本願寺見学

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西本願寺・唐門前で記念撮影
京都市の東・西本願寺の名建築・庭園を見学する会が小林敬一郎さん(AR)が世話人となり6月5日、行われた。定員は25名の予定だったが、希望者がどっと名乗りを上げ、41名で募集を打ち切った。好天に恵まれ、39名が参加。渉成園からスタートして、小林さんの解説に耳を傾けながら東本願寺・阿弥陀堂、西本願寺・能舞台、飛雲閣、唐門などを巡り、最後は名建築として名高い竜谷大学の学舎を鑑賞して解散した。

参加者
青木芳子、石橋利夫、岩井珠恵、上田マナツ、梅原豊和、岡信吾、岡本勤、川本蓮、沢村昌慶、大門敏彦、竹広光春、坪文子、仲西多美子、能口仁宏、中務頼子、延安敬子、原英雄、坂東由章、平井宥子、藤田隆、古田義弘、馬渡喜穂、吉田幸一、渡邊敏雄、小林敬一郎、黒田耕太郎ほかゲスト計39名(順不同・敬称略)